ヘアスタイルに立体感を出すには
ヘアスタイルに立体感を出すには、様々な方法がありますが、その中でも簡単にできる「カットでの間引き」についてご紹介させていただきます。
「間引き」はインターネットで調べると様々な意味合いがございますが、ここでは「毛と毛の間を取り除き、動きをつける」こととして使用いたします。
間引きによる効果

はじめに「間引きによる効果」の実験をしてみたいと思います。
上の画像はコピー用紙を髪の束と見立ててカットしました。

それを上記のように線を引き、
黒く乗られた部分をハサミで切り取ります。

髪と髪の間が間引かれた形になり、束感が出ます。
「深さ」や「束の太さ」によっても違った雰囲気になります。
今回はその違うものを2枚作り重ねてみました。

頭は球体なので、紙のふちに針金を貼り湾曲させ、頭となるべく同じ状態を作ります。
この写真では2.5cm程度、紙と紙の距離をあけておりますが、次の次に出てくる、つるした状態の画像は1cm程度離しています。
上記の画像でわかるように「奥の紙が暗く」「手前の紙が明るく」見えます。
同じ白い紙ですが色の違いが発生しました。
「色」や「束の太さ」に違いが出ることで、たった2枚の紙ですが、立体感や動きが出たと思います。
お客様事例
それでは実際の髪で行った場合を見ていきます。

上記のお客様は暗めのカラーを施しています。
ボブスタイルでレイヤーがあまり入らないため動きが出にくいスタイルですが、カットで毛と毛の間を間引く事により中間から毛先にかけて陰影が出ています。

わかりやすいように線を引いてみました。
ハサミで間引いたところは暗くなり、その隣は明るくなっています。
これは間引いたことにより、
①奥に隠れていた髪が露出 → ②その髪は奥にあるため光が当たらず暗く見える
手前にある髪は特別明るくはないですが、奥の髪が暗いため、手前の髪が明るく見えます。
手前の髪が影を作り出し奥の髪を暗く見せていることも要因です。
下の画像は光をより多くあてた写真です。
色の差が、少しわかりやすくなるかと思います。

髪の色が明るくなるほど、その差は顕著に現れます。

上記のお客様は先程のお客様よりも明るいカラーをされていますが、先程よりも少し色の差がわかりやすいかと思います。(1色で染めています)
動きの出にくいボブスタイルでもハイライトカラー等を施すことなく、少しの工夫で立体感を出したり、ヘアスタイルに変化をつけることができるかと思います。
ご参考になれば幸いです。